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6月4日の夢(政治犯) [夢]

 ぼくは政治犯としてニューヨークを列車で護送されている。護送といっても、親や親族などもいっしょなので、まるでピクニックのようだ。どうやらトイレ休憩になるらしい。出口は一か所しかないので、長い列車の中を車両から車両へとみんなでワイワイ騒ぎながら進んでいく。ようやく出口から外へ出る。そこは棚田のような温泉地で、棚田の一つ一つが野外の温泉になり、何人かずつが入浴している。タオルを持ってくるのを忘れてぼくはハンカチで前を隠しながら、適当な浴槽を探す。ふと見ると一角で、以前のS社の同僚たちが賑やかに騒いでいる。彼らに見つかりたくないので、顔を伏せたままあちこち彷徨い、おとなしそうな老夫婦が入浴している浴槽を見つけて、遠慮がちに顔だけ洗う。
 トイレはその温泉地の一角の岩山の上にあった。岩に小さな穴が二つあけてあり、そこにトイレ用のスリッパが押し込んである。ぼくは手を使わず、足だけでそのうちの一方のスリッパをどうにか取り出して履く。トイレは便器のない、床に溝だけがついている方式だ。トイレに入ると詩人で実業家だったT氏がいるし、男子とまじって若い女性も楽しそうにおしゃべりしているので、びっくりする。
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