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10月11日の夢(所沢への道) [夢]

 路線バスに乗っている。比較的空いていて、ぼく以外には中年のサラリーマンふうの男性が一人、ほかには若い女性グループが数人で、彼らはおしゃべりに余念がない。中年男性の運転手はマイクで「所沢への道は分かりにくいので、お気をつけください」と車内放送している。
 途中でふと気づくと、荷物を座席に置いたまま、男性の乗客の姿がない。どうやらそれに気づいたのはぼく一人だけらしい。
 終点に着いた。運転席の横の出口から降りようとすると、運転手がぼくを振り向いて「さっきはああ言いましたが、所沢への道は本当は簡単なんですよ」と告げる。
 そこから改札口までの間には広い待合室がいくつも並んでいる。女性客たちは最初の部屋に入り、またもやおしゃべりに夢中だ。ぼくは男性客の失踪について誰かに訴えたいと思うが、その相手が見当たらないまま、ついに最後の待合室まで来てしまった。
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10月6日の夢(独身寮) [夢]

 昨夜からぼくは独身寮に住むことになった。トイレに行きたくて目が覚める。廊下には既にきらきらとした朝日が射しこんでいる。部屋は四方の壁一面が書物で埋まっていて、何もかもが希望にあふれて輝いている。
 廊下をトイレに向かいながら腕時計を見ると、もうすぐ起床時間だ。このまま起きてしまおう。部屋に戻ろうとすると、各室のドアが開き、男女の寮生が入り口に立っている。見るとどの部屋も内部は書物でいっぱいで、ぼくの部屋とそっくりだ。うっかり手前の女性の寮生の部屋に入りそうになり、驚いて女性が一歩身を退く。
 自室に戻って着替えを始める。ぼくの部屋は廊下との間にも天井まで届く本棚があり、ここで着替えても外から見えることがないので、便利だなと思う。
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10月5日の夢(詩人パーティー) [夢]

 詩人たちのパーティー会場に出かける。レストランの入り口に透明プラスティックケースに入った料理の詰め合わせが山のように積まれている。中身は魚、肉、野菜……すべてが上等で、とてもおいしそうだ。入り口に縁台のようなものがあり、そこに知人の女性詩人がいるので、ぼくも隣に座る。楽しそうに話し込むうち、彼女の体がだんだんぼくに傾き、しなだれかかってくるが、心地よいのでそのままにしている。
 左手奥にあるパーティー会場に入る。ぼくに割り当てられたテーブルは三人席で、左と右に既に亡くなった長老詩人が座っていて、互いに口角泡を飛ばす勢いで話している。二人の間が空席になっていて、そこがぼくの席だ。あまり有り難くないが、ともかく席につく。そこではっと気がつく。入り口で貰った御馳走を忘れてきた。
 慌てて入り口に引き返すが、もうそれは誰かに持ち去られてしまったあとだ。それでも必死で料理をかき集め、席に戻ると、もうパーティーは終わりだという。
 テーブルの反対側にはポエトリー・スラム系の女性詩人たちがいて、「別の会で、会費がとても高いので、てっきり食事つきだと思ったのに、なんにも出なかったわ」とか「誰かが出演の順番を自分勝手に変更してしまったのよ」などという下世話な話を大声でしていて、なんだかいやな感じだ。
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10月3日の夢(粉かけ芋虫) [夢]

 合評会に行こうとして、乗換駅の新宿にいる。メンバーのAさんとTさんも一緒だ。Tさんは荷物を沢山持っており、それを整理するためスーツケースを床に下ろす。すると見知らぬ若い男が近づいてきて、「スーツケースを沢山お持ちですね。一つ貸してください」と一個持ち去ろうとする。慌てて男を追い払い、荷物を見張ることにする。
 その間にAさんは一匹の芋虫をつかまえ、その胴体に黄な粉のような粉をまぶす。床にあいた浅い円形の穴に虫を放すと、虫は逃れようとして穴の中を暴れまわる。暴れながら虫はどんどん大きくなり、やがて粉まみれのドブネズミのようになった。そして穴の縁を乗り越えて、外に逃げ出してしまう。
 三人は時計を見て、合評会の開催まであと15分もないことに気づく。急いで荷物を持つと、地下道を左に折れて乗り換えホームに向かう。
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10月2日の夢(島めぐりの連絡船) [夢]

 島がたくさん浮かんでいる海の、島から島へと各駅停車のように巡る船に乗っている。それぞれの島での停船時間はとても短い。しかも初めて乗る路線なので、駅名がよく分からない。ある島の駅名表示を見て、「あれっ、ぼくの降りる島はここだったのではないか?」と思う。だが、その瞬間に船は出発してしまう。しかたなくぼくは終点の島まで行き、改札口の駅員に帰りの船の時間を尋ねる。すると、幸いなことにすぐ帰りの路線の船が出るという。それに乗れば、今度こそ目的の島に着くことができるだろう。
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